物撮りライティングの基本|EC商品の色と質感が実物どおりに伝わる光の置き方

物撮りライティングの基本|EC商品の色と質感が実物どおりに伝わる光の置き方
ぱんだ先輩

こんにちは!
デザインが得意なWebマーケター「ぱんだ先輩」です!

いっきんくん

見習いのWebデザイナー「いっきんくん」です!

ライトを買ったのに、写真が暗いままだったり影がきつく出たりする…
撮るたびに明るさが変わって、商品ページに並べるとちぐはぐに見える…
購入者から「思っていた色と違った」と言われたことがある…

撮影の腕やカメラの性能が足りないのだろうか、と考えてしまう場面です。けれど実際に現場で写真を見せてもらうと、「暗い」「影が強い」「テカる」「色が違う」の大半は、光を置く位置と向きで起きています。機材を買い足す前に動かせる余地が、まだ残っています。

この記事で扱うのは、いま手元にある光を「どこに・いくつ・どの向きで」置くかという判断だけです。機材の選び方は物撮りセットは何から買う?EC商品の必要カットから決める優先順位、ピントや構図まで含めた撮影の全体手順は物撮りのコツ|EC商品をきれいに撮る7つの基本と撮影手順にまとめているので、そちらに譲ります。

この記事でわかること

  • EC商品写真の光を判断する3つの基準と、光の基本の置き方
  • 暗い・影が強い・のっぺりする・映り込む、それぞれの直す順番
  • 自然光とライトの使い分け、素材別の光の当て方
  • 次回も同じ写真が撮れる「基準の光」の残し方
目次

物撮りライティングは「きれいに見せる光」より「実物どおりに伝わる光」を優先する

いっきんくん

ライトは買ったのに、どこに置けば正解なのかが分からないんです…

ぱんだ先輩

正解は「かっこいい光」じゃなくて「実物どおりに見える光」だよ。まず基準から決めよう。

商品写真の良し悪しを雰囲気で判断すると、撮り直しが止まらなくなります。ECの商品写真には判断の基準があり、そこを先に決めておくと、迷う時間がかなり減ります。

EC商品写真の光を評価する3つの基準

  1. 色が実物と合っているか(届いたときのギャップを減らす)
  2. 質感と凹凸が分かるか(影が完全に消えた写真は立体感も消える)
  3. 次の商品でも同じ光を再現できるか(商品ページ内で写真がそろう)

雑誌のようにかっこいい光は、この3つを満たしたあとに考えるもので十分です。色が違えば返品や問い合わせが増え、質感が伝わらなければレビューで「写真と違う」と書かれます。ECの写真は、見栄えより先に誤解を減らす役割を背負っています。

基本形は「斜め前45度の主光源+反対側の起こし」

物撮りで主光源を10時・レフ板を2時・カメラを6時に置く基本配置

主光源(キーライト)とは
いちばん強い光のことです。商品の明るさと、影がどちら向きに出るかを決めます。

レフ板とは
光を反射させて影を弱める板のことです。白い厚紙や発泡スチロールでも代用できます。

位置は、商品を時計の文字盤の中心に置いて考えると特定しやすくなります。

  1. カメラを6時の方向に構える
  2. 主光源を10時の方向、商品より少し高い位置に置き、やや見下ろす向きにする
  3. 反対側の2時の方向にレフ板を立て、影になった面へ光を返す
  4. 1枚撮って、影の濃さと色だけを確認する

まずはこの1灯とレフ板の形で撮り、足りないところだけをあとから足すのが、いちばん崩れにくい進め方です。最初から複数の光を並べると、どの光が影を作っているのか分からなくなります。

光を増やす前に、位置と距離を先に動かす

物撮りライティングを位置・距離・拡散・灯数の順番で調整する方法

直す順番は 位置 → 距離 → 拡散 → 灯数。灯数を増やすのはいちばん最後です。

光の位置を20センチ動かすだけで、影の向きも長さも変わります。ライトをもう1灯買うより先に、いまの1灯を前後左右に動かしてみてください。それで解決する症状が、思っているより多くあります。

症状から直す:暗い・影が強い・のっぺり・映り込み

いっきんくん

写真を見ても、何が原因なのか自分では分からなくて…

ぱんだ先輩

原因を当てなくていいよ。症状から入って、上から順に1つずつ試すだけ。

症状よくある原因先に試すこと
暗い・色がくすむ光源が遠い/部屋の照明と混ざっている光源を商品に近づけ、天井灯を消す
影が濃く出る光源が小さく、商品から遠い光源を近づけ、拡散する布を1枚入れる
のっぺりする正面からの光で影を消しすぎている主光源を横にずらし、レフ板を少し離す
ライトや自分が映り込む光沢面が周囲をそのまま映している商品の向きを少し回し、映る面を白い板に替える

暗い・色がくすむ

明るさが足りないと、まずライトの出力を上げたくなりますよね。先に効くのは、光源を商品に近づけることです。距離が近いほど、光は強く、そしてやわらかくなります。

色がくすむ・転ぶときに多いのは、撮影用ライトと部屋の天井灯が混ざっている状態です。光の色味は色温度と呼ばれ、数値が低いほど赤っぽく(電球のような色)、高いほど青白くなります。

色味の違う光が混ざった写真は、あとから色補正しても実物に合わせきれません。撮影中は天井灯を消し、使う光を1種類にそろえてください。

影が強く出る/影が商品に落ちる

影が硬くなるのは、光源が小さくて遠いときです。順番としては、光源を近づける、次に光源と商品のあいだにトレーシングペーパーや白い布を1枚入れる、と試します。

ディフューザーとは
光を拡散させてやわらかくする布や紙のことです。光源の面積を広げるほど、影の境目はゆるやかになります。

白背景で撮って切り抜く前提なら、商品の下に落ちる接地影をどこまで残すかも決めておきます。影が背景に長く伸びていると、切り抜きの境目が判断しづらくなり、作業のたびに仕上がりが変わります。モールごとの第1画像の条件(背景の指定など)は更新されるため、最新の仕様は各モールの公式ガイドラインで確認してください。

入稿前の確認項目は、以下の記事に整理しています。

のっぺりして立体感がない

正面から光を当て、さらに強いレフ板で影を起こすと、平らな写真になります。ここでやるのは、影を消し切らずに弱めておくことだけ。主光源を10時の位置から少し外側へずらし、レフ板を商品から離すと、凹凸が戻ってきます。

光沢・金属・ガラスにライトや自分が映り込む

つやのある面は、周囲にあるものをそのまま映します。映り込みは消すものではなく、映る対象を差し替えるものだと考えると対処が早くなります。

  • 商品の向きを少しだけ回す(1〜2度でも映る景色は変わる)
  • カメラのすぐ横に白い板を立て、自分の姿の代わりに白を映す
  • 黒い紙を一部に立て、締まりのある線を意図して映し込む

ライトを動かすより、商品を回すほうが早く決まる場面も多くあります。

自然光とライト、どちらを使うかは「再現できるか」で決める

ぱんだ先輩

「自然光がいい」も「ライトが正解」も、条件しだい。撮る本数で決めよう。

自然光とライトは、写りの良し悪しで優劣がつくものではありません。判断の軸になるのは、同じ光をいつでも作り直せるかどうかです。

自然光が向くケース

  • 撮影する点数が少ない
  • 窓際で光が安定する時間帯を作業時間にあてられる
  • 使用イメージなど、雰囲気を見せるカットが中心

自然光では苦しくなるケース

  • 入荷のたびに追加商品を撮り、ページ内で写真をそろえたい
  • 天候や時間帯で色が変わると、色違いの商品を並べたときに困る
  • 撮影にあてられるのが夕方以降しかない

この3つに当てはまるなら、ライトへ切り替えたほうが撮り直しは減ります。色の一貫性が必要な商品ほど、光を自分で決められる状態のほうが管理しやすくなります。

自然光とライトを同時に使うと、色味の違う光が混ざって色が決まりません。
併用するなら、カーテンを閉めるか消灯して、どちらかに寄せてください。

素材・形で変わる光の当て方

ぱんだ先輩

商品がバラバラでも基本形は同じだよ。素材ごとに、光を足す向きだけ変えよう。

ガラス・布・食品・黒い商品など素材別の物撮りライティング

透明・ガラス

前から当てると中が白く濁ります。背面や斜め後ろから光を回し、輪郭と透け感を出します。背景を明るくして、そのあかりを透かす形にすると形が読み取れます。

布・アパレル・食品

  • 布は斜めからの光で、織りや起毛の陰影を出す
  • 食品は半逆光(商品の斜め後ろからの光)で、つやと立体感を出す
  • どちらも手前が暗くなりすぎたら、レフ板を近づけて起こす

白い商品・黒い商品

白い商品は背景の白と同化しやすく、黒い商品は輪郭が闇に沈みます。どちらも、商品と背景の明るさに差をつけることで解決します。白い商品なら背景をわずかに落とし、黒い商品なら斜め後ろから光を足して縁に細い明かりを走らせます。

撮影のあと、この写真をどう加工して商品ページに載せるかは、また別の工程です。デザイン面の考え方は売上を左右するAmazon商品画像|プロと素人の決定的なデザインの違いで整理しています。

「基準の光」を決めて、次回も同じに撮れるようにする

いっきんくん

うまく撮れた日があっても、次に同じにできないんです…

ぱんだ先輩

うまくいった日の置き方をメモに残すだけで、次から再現できるよ。

撮るたびに写真の印象が変わるのは、その日の勘で光を置き直しているからです。うまくいった配置を記録に変えておくと、次からは思い出す作業がなくなります。

物撮りでライト配置を記録して同じ撮影環境を再現する流れ

記録するのは5項目だけ

  1. 商品から光源までの距離
  2. 光源の高さ(商品より何センチ上か)
  3. 時計の文字盤で見た角度(10時、など)
  4. 灯数と出力の設定
  5. ディフューザーとレフ板の有無と位置

スマホのメモでも、撮影場所の壁に貼った紙でも足ります。床にテープで光源とレフ板の足元を印しておくと、片づけたあとも同じ位置に戻せます。

基準カットを1枚、比較用に残す

うまく撮れた1枚を「基準カット」として別フォルダに保存しておきます。次に撮るときは、その1枚と見比べて、明るさと影の向きがそろっているかだけを確認します。判断が1回で済むので、撮影後の見直し時間が短くなります。

今日やることは1つだけ。代表商品を1つ選び、光の位置・高さ・距離をメモに残すところまでで十分です。

全商品を撮り直す必要はありません。いちばん売れている商品、または今いちばん撮り直しが多い商品を1つ選んで、その1点で基準を作ってください。基準ができると、残りはそこに合わせるだけの作業になります。

社内で続けるか、外注に切り替えるかの分かれ目

比べるポイント社内で続けやすい場合外注を検討したい場合
商品の形・素材形やサイズが近く、同じ配置を使い回せる光沢・透明・食品などが混在している
撮影の量とタイミング月あたりの点数が読める季節ごとに大量入荷があり、納期が短い
担当者担当が固定で、基準の光を引き継げる担当が変わりやすく、記録が残らない

外注を検討する段になったら、依頼前に確認したい項目は商品撮影代行の選び方|EC担当者が依頼前に確認したい7項目、費用の見方は商品撮影の1カット相場は?見積もりで確認したい費用内訳と比較のコツにまとめています。

企画ユニットが商品画像でどんな支援をしてきたかは支援実績のページに載せています(撮影単体ではなく、画像制作や販売施策を組み合わせた結果です)。撮影から商品ページの制作まで通して任せたい場合の範囲はサービス内容のページで確認できます。

まとめ

光は「きれいに見せる」ためより、実物どおりに伝えるため、そして次回も同じに撮るために整えます。

直す順番は 位置 → 距離 → 拡散 → 灯数。

今日の一手は、代表商品1つで基準の光を決めてメモに残すことです。

光の置き方は、一度決めてしまえば毎回悩むところではなくなります。基本形で撮って、症状が出た箇所だけを上から順に直す。その積み重ねで、商品ページの写真はそろっていきます。

商品写真と商品画像の改善は、ひとりで正解を探し続けなくて大丈夫です。企画ユニットでは、物販の現場に合わせて手をつける順番から一緒に考えています。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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また次のブログでお会いしましょう〜!

参考・参照URL

※以下は執筆時点(2026年9月)に確認した参照先です。各モールの仕様は更新されるため、入稿前に最新の内容をご確認ください。

この記事を書いた人

物販ビジネスでの5年間の経験を経て、Webデザイナーとして独立。これまでに400件以上のクライアントワークを手がけ、幅広い業種のサイト構築・ディレクションに携わる。

最大の特徴は、Webデザインに加え、Webマーケティングの最前線で培った実践的なノウハウを持っていること。3C分析を用いた戦略立案から、SEO対策、WordPressを用いた内部構築、GA4やGTMを活用したデータ分析まで、集客から販売までの導線を「一気通貫」で設計・構築することを得意とする。

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